Engineering

アルゴリズムチームについて考える(アルゴリズム研究者宇野教授×羽室対談記事)

羽室:今回の記事化の目的は、アルゴリズム開発に携わりたいと思っている方に、当社で働くことをリアルにイメージしていただくことです。アルゴリズム研究者の宇野先生から見てログポースがどう映っているかをまとめることで、どういう特徴がある会社かを適切に伝えれると考えてます。本日はよろしくお願いします。

宇野:よろしくお願いします。

アルゴリズムチームの採用を考えたときに、宇野先生の目から見てどういう人がログポースに合いそうだと思いますか?

人材としては「アルゴリズムの研究者」というよりは「工学的研究をやっている人」・「アルゴリズムを動かしてみることが好き(開発も好きだけど)な人」がいいと思いますね。アルゴリズム研究者は比較的議論が好きなので、数学好きなんですよ。ビジネスに向くのはどちらかというと、数学好きの側面より、創ってみるというものづくりの側面です。サイエンス的な研究ではなく、工学的な研究の方です。それに一番近いのが、競技プログラミングをやっている人だと思います。アットコーダーとか、結構たくさんの人がやってるけど、彼らは勉強して創ってみるのが好きなんですよね。どっかからアルゴリズムを見つけてきて、勉強して、問題が出てきたらアルゴリズムを実装してやってみる。解けてクリアできればランクが上がる感じ。彼らのものづくりは、速く動かして制限時間の中で終わるようなプログラムを作るとか、そういうことに興味を持ってプログラミングをしてるから、まさにLogposeのエンジン開発とかはピッタリだと思いますね。ものすごい深い技術が必要というよりは、トライアンドエラーで創意工夫が必要という話ですし。できれば色々な条件を食えるようにしてほしいとか、そういうところは競技プログラミング魂をくすぐると思います。うん、ピッタリじゃないかなぁ。

ビジネスでは顧客を第一に考えてモノを作ることが良いとされていますし、ログポースもそうでありたいとおもっています。特に物流業界は、泥臭い側面もかなりあると思うんですが、そういう泥臭い仕事であるという点についてはどう思いますか? 

泥臭さが、ちゃんと実装できてより強くなるというのは楽しいと思います。プログラマーというのは、アスリートだと思うんですよね。競技者は万能性と自分の強さ、それを使って記録を出すとか、モノをつくるとか、自己表現が多分好きですよね。そういう意味では、リクエストに応えたり、いろんなものに対応出来るエンジンをつくるとかは、楽しい仕事だと感じると思います。

ありがとうございます。だいぶ人物像が見えてきたと思います。競技プログラミングをやりたい人、やっている人を採用したいと考えたときに、世の中に、競技プログラマーを集めたいという企業はたくさんありそうに思うのですが、どうですか?

たぶん、競技プログラマーの人の力が欲しいってだけであって、企業が競技プログラマーの興味に沿った仕事をつくりたいって思っているかは別ですね。
例えば、私も競技プログラミングは一通り経験しているので、その経験からお伝えすると、興味は大きく3つありました。

まずは、部品(パーツ)から作ることです。既にあるものを組み合わせてうまく動かすのではなく、鳥人間コンテストのように、一つ一つの部品を自分達で一から作ることが楽しいんですよ。次に機能性の追求ですね。レスポンス早くエレガントな方法で作って、極めていくことへの喜びです。最後は万能性で、なるべく多くの機能を実装して、いろんなことに対応出来る万能性の高いシステムを作る、そんな楽しみですね。

この楽しさを感じる人は、ログポースの環境は非常に良いと思いますよ。
「自分でプログラミングを創って戦いたい」というところにマッチすると思います。

なるほど。では、具体的にログポースのアルゴリズムチームが採用したいと思う人物像に共通認識を持てたところで、その人たちに当社のことを知ってもらうために宇野先生から見たログポースについて色々と聞かせてください。ログポースの強みはなんだと思いますか?

3つ考えてきたので、順番にお伝えしますね。
1つ目は、「物流の業界がこうなってほしい」というログポースの目指すゴール(業界の方向性)が明確に在るところです。中小企業もちゃんと利益を出せるよう支え合い、運送業界が力を持ち、その中でごく自然に各社が競争できる状態を目指していますよね。
他社で多いのは、配送を最適化してコストを削減しましょうとか、お互いの利益のためマッチングしましょうとか、1社もしくは互いの利益のためのシステムなので、ログポースの考える「運送業界」という業界全体で協力・競争しあって良くして行きたいという力強い発想はいいと思います。
2つ目は、会社や人に寄り添った、丁寧なモノづくりとしてのシステム開発をしているところです。どこか大手にエンジンを頼るのではなく、コア部分は全て自分達で開発をして、本当に現場に寄り添ってシステム開発をしていますよね。よくあるのは「ものすごい技術を使っていますよ」ということが主体になることなんです。どこからかシステムを持ってきて、これに合わせてあなた達が仕事を変えなさいと。でも、ログポースの主眼は業界や現場なので、本当に必要な要因を考えてそれに合うエンジンをデザインしている。ユニバーサルデザインのような、ユーザーフレンドリーな考え方はとても魅力だと思います。 
3つ目は、1つ目と少し重複しますが、これから運送業界がどうなっていくべきか、人がちゃんと働けて持続可能な運送業界であるかという未来を支える世界観がある点です。
ログポースが描く世界観とは、運送業界で働いている人が疲弊せず、やりがいを持ち、ライフワークバランスを考えることができるとか、経営者は想像的に自社の経営や今後のビジネスプランをクリエイティビティを持って考えられるとか、そういう社会の実現ですよね。そしてそのために、「人」「会社」「業界」の3方面をよくするプラットフォームを創ろうとしている、それって新しいですよね。他社と差別化できる強みだと思います。

働く環境としてはどう思いますか?

エンジニアにとって働きやすい環境を考えたときに、自分のクリエイティビティを出そうと思った時、それがまな板の上にちゃんと乗っかることは非常に重要です。こうした方がいいとか、これはやめた方がいいとか、そういう提案をしっかりと受け止めてくれるか、合理性を持って判断してもらえるかは大きいですね。あとは多少、難易度が高くチャレンジできる、試行錯誤できる環境がポイントになると思います。エンジニアにとって、クリエイティビティのかけらも無くものづくりををするのはキツいですからね(笑)。そういう点で、ログポースは今いるエンジニアがかなりしっかりしているので、働きやすいと思いますね。

強みを綺麗にまとめていただいてありがとうございます。(笑)
今後もしっかりと強みを伸ばせるように精進したいと思います。
最後に、少し違う視点でご質問をさせてください。
僕らが採用を行なっていく上でどういうことを大事にするべきだと思いますか?

普通、ビジネスをやってる人が研究者に求めるのは、成果ですよね。エンジンがどうとか。
しかし、見るべきは頭脳です。単にこういう機能を満たせばいいですよなんて要件が予め記述されてることはほぼないので、まずは要件をどうしようか?という組み立てから仕事が始まります。「この成果出る人募集」ではなく「これを考えられる人募集」という考えが良いと思います。

ありがとうございます。ログポースで行っている毎週の技術定例では、普段の進捗確認以外に、要件が決まっていないことに対しての意見交換の時間が結構多いですが、この時間が本当に楽しいんですよね。まさに、その中で一緒に考えながら、形にしていくことを楽しいと思える方に来てほしいと思います。また、そういう方にとって最高の仕事ができる組織・環境を作っていきたいと思います。
今日は色々とお話を伺えてよかったです。ありがとうございました!

Engineering

アルゴリズムチームについて考える(アルゴリズム研究者宇野教授×羽室対談記事)

羽室:今回の記事化の目的は、アルゴリズム開発に携わりたいと思っている方に、当社で働くことをリアルにイメージしていただくことです。アルゴリズム研究者の宇野先生から見てログポースがどう映っているかをまとめ…
なぜ物流業界では最適化が進まないのか?

なぜ物流業界では最適化が進まないのか?

配送計画問題は、配送センターから複数の顧客へトラックなどの輸送手段を利用して、巡回輸送を計画する問題です。配送計画問題は、1964年にセービング法(Clarke & Wright法)[1]が提…

「世界中の荷物情報を整理し、流通を最適化する。」

大きな使命の実現を一緒に挑戦しませんか?

menu